【3級】生命保険の契約手続き
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責任開始日とは、保険の保障が開始する日の事です。
責任開始日は、保険の契約をした日ではなく、保険の申し込み、告知または審査、第1回目の保険料の払い込みの、全てが完了した日となります。
例えば、3月1日に申し込みと告知を行い、4日に保険料を払い込み、6日に保険会社が承諾したとすると、責任開始日は4日になります。
要するに、保険会社の承諾は、責任開始日の判定においては全く関係ないという事です。
一部の商品を除き、保険は、基本的には、健康な人しか加入することができませんので、加入の際には、自身が健康であるという事を保険会社に伝えなくてはいけません。
これを告知と言い、保険会社から聞かれた事に答える(質問用紙に記入する)か、医師による診査を受けることによって行います。
もし、嘘の告知を行った場合には、告知義務違反となり、契約が解除されたり、保険事故が起こっても保険金が支払われなかったりします。
なお、告知は、質問応答義務とされています。
したがって、保険会社から告知を求められた事項以外に、保険事故の発生の可能性に関する重要な事項があったとしても、自発的に判断して事実の告知をする必要はありません。
例えば、ガンになった経験がある人が保険に入ろうとして、保険会社から過去の病気について告知を求められなかった場合には、自主的にガンになった事実を伝えなかったとしても、告知義務違反にはなりません。
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保険料の支払い方法は、2つの観点から分類する事ができます。
払込期間で分類すると、保険期間を通して支払い続ける全期払込と、一定期間で払い込みが完了する有期払込の2種類に分ける事ができます。
また、払い込む頻度によって分類すると、月払いや年払いなど、定期的に支払う定期払いや、まとめて支払う、一時払いや全期前納があります。
まとめて支払う期間が長いほど、保険料総額が安くなります(保険会社が早くお金を集めて、運用により増やすことができる為)。
保険の契約を有効に続けるためには、決められた日に保険料を払い込み続けなくてはいけません。
しかし、保険料を払い込むのを忘れたり、引落口座にお金が入っていなかったりして、保険料を払い込めなかった場合でも、すぐに保険契約が失効することはありません。
一定期間、保険料の払い込みが猶予され、猶予期間中に保険事故が起こっても、保障を受けることができます。
猶予期間は、保険料を払い込む頻度によって異なります。
月払いの場合は、金額が比較的少ないと考えられるため、払込期月の翌月末日まで猶予されます。
半年払いや年払いの場合は、金額が比較的少ないと考えられるため、払込期月の翌々月の月単位の契約応当日まで(月単位の応当日がない場合は翌々月の末日まで。ただし、契約応当日が2月、6月、11月の各末日の場合には、それぞれ、4月、8月、1月の各末日まで)猶予されます。
猶予期間を過ぎても保険料を払い込めなかった場合には、基本的には保険が失効する事になります。
ただ、その保険に解約返戻金がある場合には、解約返戻金の一定範囲内で保険会社が自動的に保険料を立て替えて、契約を継続する事ができます。
この制度を、自動振替貸付と言います。
手続きとしては、解約返戻金を担保に、借金をして保険料を払っているイメージです。
ですから、立て替えられた保険料には利息がつきます。
また、立て替えられた保険料は、生命保険料控除の対象になります。
(保険料を支払っている事には変わりないため)
保険料払い込みの猶予期間が過ぎ、自動振替貸付によっても保険料を払い込むことができない場合には、保険は失効します。
但し、失効から一定期間内であれば、未払いの保険料と手数料などを払い込む事によって、 元の保険と同じ条件で契約を再開することができます。
この制度を、復活と言います。
復活をする際には、改めて告知を行う必要があります。
また、復活後の保険料は、復活前の保険料と比べて、同じ金額です。
復活 | 更新 | |
保険料 | 従前と同一 | 再計算 |
告知 | 必要 | 不要 |
前の保険と同じ保障を受ける事ができる、という点において、復活は更新と似ていますが、更新は契約者の権利ですから、健康状態に関係なく更新することができます。
一方、復活は、ある意味契約者のわがままですから、告知が必要で、健康状態によっては復活できない場合があります。
復活しようとする人は、保険料を払い込まなかった不届き者ですから、健康状態が悪化したから保険に入っておこうという自分勝手は、保険会社が許してくれない、という事だと思って下さい。
更新の際には、更新時の条件で保険料が再計算されるのに対して、復活の際には、保険料は失効する前と変わりません。
なぜなら、復活は失効を無かった事にするものだからです。
「保険料を滞納した場合の取扱い」
① | 保険料を滞納した際には、まず、猶予を受けることができます。 |
↓ | |
② | 猶予期間を過ぎても保険料を払い込まない場合には、自動振替貸付という制度があります。 |
↓ | |
③ | 自動振替貸付によっても保険料を払い込めない場合には、契約は失効します。 |
↓ | |
④ | 失効から一定期間内に所定の手続きを行うと、復活する事ができます。 |
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契約者貸付は、解約返戻金を担保として、保険会社からお金を借りる制度です。
契約者貸付によって借りたお金の使い道は、自由です。
契約者貸付と自動振替貸付は、どちらも、解約返戻金を担保として保険会社からお金を借りる制度です。
自動振替貸付は、自動的に借金をして、使い道が保険料の払い込みに限定されるのに対して、契約者貸付は、契約者の意思でお金を借りるもので、使い道は契約者の自由です。
保険会社にとってみれば、解約返戻金を担保として、その範囲内でお金を貸す訳ですから、貸倒れる心配が無く、資金使途を問う理由がありません。
保険料の払い込みを中止し、その保険の解約返戻金を原資として契約を継続させる制度として、払済保険と延長保険があります(払済保険や延長保険という保険商品がある訳ではありません)。
保険料を払わずに契約が継続するメリットがありますが、 その代償として、いくつかのデメリットがあります。
まず、この制度を利用すると、特約は全て消滅します。
また、きちんと保険料を払っている人と同条件で契約を継続できる訳がありませんから、保険金が減少したり、保険期間が短くなったりします。
払済保険は、契約を継続させる時に、元の保険と保険期間は変えずに、保険金額を減少させる制度です。
延長保険は、元の保険と保険金額は変えずに、保険期間を短くする制度です。
延長保険は、カラオケの延長を連想して覚えてください。
カラオケで延長したとしても、歌える曲数が減る事はありませんから、「延長しても、カラオケ屋さんから受けられるサービスは一緒」→「保険を延長しても、保険会社からもらえる保険金は一緒」という事です。
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