【3級】借家権
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建物の賃借権の事を、一般的に、借家権と言います。
実は、借地借家法には、「借家権」という言葉は一回も登場せず、試験でも専ら「建物の賃借権」と表現されます。
但し、説明文を分かりやすくする為に、以下、「建物の賃借権」の事を「借家権」という言葉を使って説明していきます。
借地借家法で言う借家権は、借地権と同様、使用貸借や、明らかに一時使用目的のものは適用対象外とされています。
そして、現実的には、賃貸人(大家さん)に権利の登記に協力してもらえないので、登記とは別の方法で借家権の対抗力を認めることにしている事も共通です。
借地権においては、それは借地上の建物についての登記でしたが、借家権については、建物の引き渡しとされています。
なぜなら、家財を持ち込んで、鍵を持って建物に住んでいれば、家主の許可を得てそこを借りているはずであると推測する事ができるからです。
借地権の対抗要件は、借地上の建物についての登記、借家権の対抗要件は、建物の引き渡しです。
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借地借家法では、この他にも借家人を守る様々なルールがあります。
例えば、家賃の増減について、更新の定めがある契約においては、一定期間家賃を増額しない特約は有効ですが、一定期間家賃を減額しない特約は無効となります。
その他にも、借家人に不利な特約は、基本的には無効になりますが、造作買取請求権についてのルールは注意が必要です。
借家人は、借家に勝手に手を加えることはできませんから、エアコンや畳を取り付けたいなら、賃貸人の許可を得る必要があります。
そして、これらは借家人のお金で取り付けますから、借家人が家を出て行く際に、大家さんに買い取ってもらうことを請求することができます。
借家人が有するこの権利を、造作買取請求権と言います。
造作買取請求権は、特約によって排除することができます。
「造作買取請求権は、特約によって排除する」のは、直感的には、借家人に不利な条件ですので、無効になりそうだと思うかもしれません。
しかし、将来、造作買取請求権を行使されるのを避ける為に、賃貸人(大家さん)がエアコンを取り付ける事を拒否して、借家人が、エアコンなしで真夏を過ごさなければいけなくなると困ります。
このように、造作買取請求権を特約によって排除する事は、必ずしも借家人に不利だと言い切る事はできません。
造作買取請求権を排除する事で、借家人が快適に過ごしやすくなるという面もあります。
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借家権には、更新がある借家権と、更新がない借家権に分けることができます。
ここでは、更新がある借家権(建物の賃借権)を、普通借家権と表現し、更新が無い借家権を、定期借家権と表現します。
<普通借家権>
普通借家権は、更新がある借家権です。
普通借家権の設定方法(契約方法)は、特に定められていません(口頭でも可)。
普通借家権の存続期間は自由に定めることができますが、もし、1年未満の期間を定めた場合には、期間の定めがないものとみなされます。
1年未満のサイクルで契約を更新し続けるのは、外見上、期間の定めがない契約であると考えられるからだと思って下さい。
なお、期間の定めがある契約において、借家人が更新を拒絶する場合は、正当事由が不要です。
一方、期間の定めがある契約において、賃貸人が更新を拒絶する場合は、正当事由が必要です。
<定期借家権>
定期借家権は、更新が無い借家権です。
定期借家権の存続期間は、自由に定める事ができますが、もし、1年未満の期間を定めた場合には、その定めた期間が存続期間となります。
但し、後で契約の更新がある・ないで揉めると困りますから、公正証書等の書面で契約をする必要があります。
定期借家権を設定する際には、賃貸人は、あらかじめ賃借人に対して、契約の更新がなく、期間の満了によって契約が終了するという事を、書面を交付して説明しなくてはいけません。
また、契約の終了について、もし、借家人が契約の満了を忘れていて、明日いきなり家を明け渡してほしいと要求されると困りますから、契約期間が1年以上ある場合には、賃貸人は、期間の満了の1年前から6ヵ月前までの間に、建物の賃借人に対して、契約が終了する旨の通知をしなくてはいけない事になっています。
この期間を通知期間と言い、もし、通知を忘れた場合には、基本的に、遅れて通知した日から起算して、6ヶ月後に契約が終了します。
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