【3級】老齢給付(老齢基礎年金)*
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老齢基礎年金は、国民年金(基礎年金)の給付で、老齢(一定の年齢に達した事)を原因として、一生涯支給される給付です。
1階部分の話ですから、年金の体系図から、位置づけを確認・把握してください。
老齢基礎年金を受給するためには、受給資格期間が10年以上ある必要があります。
受給資格期間とは、年金を受給できるか受給できないかを判定する期間で、基本的に、保険料を10年以上納めた人が、老齢基礎年金を受給する事ができると思って下さい。
但し、正確に言うと、受給資格期間は保険料納付済期間とイコールではなく、保険料納付済期間に、保険料の免除期間と猶予期間、合算対象期間を足したものです。
したがって、場合によっては、10年以上保険料を納めていなくても、受給要件を満たす事ができます。
そして、受給要件を満たせば、原則として、65歳から受給する事ができます。
合算対象期間とは、年金額には反映されないものの受給資格期間にはカウントされる(受給できるか否かの判定においては有利になる)期間です。
老齢基礎年金の金額は、20歳から60歳までの間の保険料納付記録によって異なりますが、例えば、海外に居住すると、強制加入被保険者ではなくなります。
ですから、海外に35年間居住して、真面目に5年間年金を納付した場合、「10年以上保険料を納めていないので、年金は0です」と言うのは無下ですが、かと言って、40年保険料を納めたものとして満額の年金を支給するのも不公平です。
このようなケースを考慮して、年金の制度では、何種類かの合算対象期間期間が設けられています。
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老齢基礎年金の受給額は、年間781,700円(2020年度)ですが、全員が同じ金額を貰えるわけではありません。
なぜなら、保険料を10年しか納めていない人と、40年納めた人が、同じ額の年金をもらうのは不公平だからです。
そこで、老齢基礎年金は、納めた保険料に比例して支払われる仕組みになっています。
つまり、この年間781,700円というのは、20歳から60歳まで40年間、480回保険料を納めるチャンスがあるうち、休まず480回納めた人が貰える満額です。
ですから、保険料を30年しか納めていないと、もらえる年金は4分の3になってしまいます。
また、免除や猶予を受けると、年金を受給する事ができるか否かの判定で有利になるというのは、上記の通りですが、そういう人たちが、きちんと保険料を支払った人と同じ金額の年金をもらうというのは不公平感が高いですから、免除や猶予があった期間分については、保険料をきちんと納めた期間に比べて年金が少なくなるように、計算式が複雑になっています。
事情があって保険料を納めることができない場合でも、勝手に滞納すると何も良い事はありませんが、役所にお伺いを立てて、免除や猶予をしてもらっていると、少なくとも、年金をもらえるか否かを判定する段階においては、有利になります。
但し、免除や猶予を受けた後に追納しなければ、きちんと保険料を納めた場合に比べて、年金額は少なくなります。
老齢基礎年金は、受給資格期間の要件を満たした人が、原則として、65歳になった時から受給することができますが、申請して65歳よりも早く受給したり、65歳以降に受給したりすることができます。
65歳よりも早く受給する事を、繰上げと言い、最大5年間、繰り上げることができます。
これは、言ってみれば、わがままを言って国から年金をもらっている訳ですから、もらえる金額が少なくなるペナルティがあります。
具体的には、0.5%に繰上げた月数を掛けた割合だけ年金が減額されて、最大で60ヵ月分、30%が減額されます。
一方、65歳よりも遅く受給する事を、繰下げと言い、最大5年間、繰り下げることができます。
これは、国の財源に協力している訳ですから、もらえる金額が増える見返りがあります。
具体的には、0.7%に繰下げた月数を掛けた割合だけ年金が増額されて、最大で60ヵ月分、42%が増額されます。
なお、繰上げや繰下げは、一度選択してしまうと、取り消すことができませんので、慎重に行う必要があります。
年金を繰り下げた場合、繰り下げた期間に関わらず、繰り下げ受給を開始した年齢から大体12年間生きると、65歳から受給するより得になる計算です(物価の変動等を考慮しない場合)。
公的年金について、実務上、詳しく知りたい方は、「日本年金機構のホームページ」で情報を得る事ができます。
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