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【3級・2級共通】6つの係数

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前置き

FPは、お金の不安をなくすのが仕事ですから、色々なお金のシミュレーションができなくてはいけません。

具体的には、運用すると将来いくらになるかや、将来必要となるお金を準備するためにどれだけのお金を用意しなくてはいけないかを、計算できなくてはいけないという事です。

例えば、100万円の資金があって、これを年利3%の一年複利で3年間運用した場合、いくらになるかを見積もる為には、100万円×1.03×1.03×1.03=1,092,727円と、求める事ができます。

逆に、年利3%の一年複利で3年間運用するという前提の下、将来100万円を貯める為に今いくら用意しなくてはいけないかを見積もる為には、100万円÷1.03÷1.03÷1.03=915,142円と、求める事ができます。

今挙げた例はやや簡単なものでしたが、今度はもう少し複雑な運用について考えてみましょう。

例えば、年利3%の一年複利で3年間運用するという前提の下、毎年年末に100万円を積み立てた場合、3年後にはいくら貯まるかを考えてみたいと思います。

年末に100万円を積み立てると、1年目に積み立てた100万円は、2年間複利運用されて、3年目には、100万円×1.03×1.03=1,060,900円になります。
2年目に積み立てた100万円は、1年間複利運用されて、3年目には、100万円×1.03=103万円になります。
3年目に積み立てるお金は、運用しませんので、そのまま100万円が貯まります。

つまり、3年後には、1,060,900円+1,030,000円+1,000,000=3,090,900円貯まる事になります。

積立運用は複雑ですから、もし、このようなやり方で10年積み立てるシミュレーションを行おうとすると、かなり大変です。

そこで活躍するのが、6つの係数というツールです。

これは、一定期間、一定利率で複利運用した場合の金額を見積もる場合、長期間運用したり、複雑な運用をする場合でも、簡単に近似値を求める事ができるツールです。

6つの係数を使う時

6つの係数の使い方を説明する前に、まずは、6つの係数はどのような場合に使うことができるのかを、説明したいと思います。

6つの係数が対応できる運用方法は、一括型、積立型、取崩型の3つがあります。

ですから、6つの係数を使うケースでは、まず下の図を思い浮かべて、3つのパターンのどれに該当するかを判断できなくてはいけません。

<3つの運用方法>

<一括型>
一括型は、まとまったお金をそのままにして、一定期間、一定利率で複利運用する方法です。

「今これだけのお金を何もしないでそのまま寝かせると、将来いくらになるか」や、「将来これだけのお金が欲しい場合、今いくら用意しなくてはいけないか」を、簡単に計算する事ができます。

<積立型>
積立型は、毎年一定金額を、一定期間、一定利率で複利運用しながら積み立てる方法です。

「毎年これだけのお金を積み立てると、将来いくらになるか」や、「将来これだけのお金が欲しい場合、毎年いくら積み立てなくてはいけないのか」を、簡単に計算する事ができます。

<取崩型>
取崩型は、まとまったお金を、一定期間、一定利率で複利運用しながら、毎年一定金額を取り崩すスタイルです。

「今これだけのお金があるから、将来いくらずつ受け取ることができるか」や、「将来何年間にわたってこれだけのお金を毎年受け取りたいなら、今いくら用意しなくてはいけないのか」を、簡単に計算する事ができます。

なお、取崩型は、元のお金が増えながら同じ金額ずつ減らしていくので、借金返済のシュミレーションにも応用する事ができます。

つまり、「これだけのお金を借りたから、毎年いくら返さなくてはいけないのか」や、「毎年これだけのお金を返せる力があるので、いくらまでお金を借りることができるのか」を、簡単にシミュレーションする事ができます。

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6つの係数の使い方

それでは、いよいよ、6つの係数の使い方についてお話していきます。

6つの係数の使い方は凄く単純で、基準となる金額に、適切な係数をかけるだけです。

例えば、100万円を年利3%の一年複利で3年間運用するといくらになるかを、係数を使って求める場合、現在用意できる金額に終価係数をかければ完了します。

3年3%の終価係数は、1.0927ですから、100万円という基準となる金額に、3年3%の終価係数をかけると、100万円×1.0927=1,092,700円という風に、近似値を求める事ができます。

先程、100万円×1.03×1.03×1.03=1,092,727円と求めたのと比べると、手間が少ないです。

適切な係数の選び方

6つの係数を使った計算自体は凄く簡単ですが、その前に、ある金額を求めようとする際に、どの係数を使うのかをきちんと選ばなくてはいけません。

運用パターンは、一括型、積立型、取崩型の3つで、それぞれに現在の金額と将来の金額を求める係数がありますから、計6つあります。

全部列挙すれば、「現価係数」、「終価係数」、「減債基金係数」、「年金終価係数」、「年金現価係数」、「資本回収係数」の6つ。

何だかとてもややこしいですが、係数の名前自体は覚える必要がありませんので安心してください。

試験対策上は、候補となる係数が問題文に用意されていて、そこから正しい係数を選ぶ事ができれば、点数が取れます。

6つの係数の選び方は、3つの運用パターンを頭に入れて、3つのルールさえ覚えれば、誰でも簡単に選ぶことができるようになります。

<ルール1>
ルールの一つ目は、単純な運用は文字数が少ないという事です。つまり、一括型運用では、「現価係数」か「終価係数」を使います。

<ルール2>
ルールの二つ目は、「年金○○係数」は、まとまった金額を求めるために使うという事です。つまり、「年金○○係数」は、積立型運用や取崩型運用の長い棒の金額を求める際に使います。

<ルール3>
ルールの三つ目は、現在の金額を求める係数には「げん」の音があるという事です。つまり、左側の金額を求める為の係数は、現価係数、減債基金係数、年金現価係数のいずれかであるという事です。

一応、将来(終わり)の金額を求める係数には「しゅう」の音があると覚える方法もあります。つまり、右側の金額を求める為の係数は、終価係数、年金終価係数、資本回収係数のいずれかであるという事です。
要するに、6つの係数の選び方は、以下の図が頭に入っていれば、迷う事はありません。

では、これを踏まえて、一つ例題を解いてみたいと思います。

【例題】
年利2%で複利運用しながら毎年一定額を積み立てて、5年後に100万円を準備する場合に毎年積み立てるべき金額を求めるためには、どの係数を使えば良いか、下の候補の中から選んでください。
<候補>
減債基金係数、資本回収係数、
年金現価係数、年金終価係数

まず、問題文から、これは3つの運用方法のうち、どれに当てはまるかを読み取ってください。

そうすると、問題文に「積み立て」というキーワードがありますから、積立型運用だと判断する事ができます。

次に、問題文から、現在用意する金額と、将来受け取る金額のうち、どちらを求めるのかを読み取ってください。

そうすると、問題文に「毎年の積立額」というキーワードがありますから、現在用意する金額だと判断する事ができます。

図で言えば、下の金額を求める訳です。

(図)

ここで、三つのルールを適用すると、

ルール1: 単純な運用でない
→6文字の係数
ルール2: まとまった金額でない
→「年金○○係数」ではない
ルール3: 現在の金額を求める
→「げん」の音がある

この事より、「減債基金係数」を使えば良いと判断する事ができます。

6つの係数を使う際には、どの係数を用いるのかを見極めることができるかがポイントです。

見極める際には、まず、どの運用パターンのシミュレーションなのかを読み取って、現在と将来のどちらの金額を求めるのかを読み取ることができれば、適切な係数を判断する事ができます。

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6つの係数を使った計算

最後に、これまでの事を踏まえて、6つの係数を使う計算問題を解いてみましょう。

【例題】
退職金1,000万円を、年利2%で複利運用しながら5年間にわたって毎年均等に取り崩して受け取る場合、毎年の受取額はいくらになるでしょうか?

<係数の資料(5年、2%)>
減債基金係数:0.1922
資本回収係数:0.2122
年金現価係数:4.7135
年金終価係数:5.2040

【答え】
212,000万円です。

運用パターンは、取崩型です。
求める金額は、将来受け取る金額です。

ここで、三つのルールを適用すると

ルール1: 単純な運用でない
→6文字の係数
ルール2: まとまった金額でない
→「年金○○係数」ではない
ルール3: 将来の金額を求める
→「げん」の音が無い

という事から、「資本回収係数」を使えば良いと判断する事ができます。

したがって、基準となる金額に資本回収係数をかけると、1,000万円×0.2122=212,200円と求める事ができます。

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