【3級】債券の利回り
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本題に入る前に、利回りについて復習しておきたいと思います。
利回りは、投資の効率の善し悪しを表す指標です。
そして、投資の効率の善し悪しは、何かと何かを比較して分かるものですから、比較するもの同士の期間をそろえる必要があります。
したがって、厳密に言えば、利回りは「投資金額に対するリターンの割合」ではなく、「投資金額に対する”一年あたりの”リターンの割合」というのが正しい表現です。
債券の直接利回りは、債券投資を行った時に、利息だけでどの程度の利回りがあるかという指標です。
投資金額は債券の価格、リターンは債券の利息ですので、「直接利回り=債券の1年あたりの利息÷債券の購入価格」という式で求める事ができます。
ちなみに、この式の分母を額面100円当たりの金額とすれば、分子は表面利率の数字となります。
なぜなら、表面利率は額面金額に対する1年間の利息の割合ですから、分母と分子がどちらも額面100円当たりの金額となり、基準が揃うからです。
なお、%単位にする場合は、100をかけます。
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債券投資において、利息に加えて、売却や償還をした際の利益や損失(キャピタルゲインやキャピタルロス)を考慮した利回りには、3つの種類があります。
利回りの種類 | 意味 |
応募者利回り | 新発債を償還まで保有した場合の利回りです。 |
最終利回り | 既発債を償還まで保有した場合の利回りです。 |
所有期間利回り | 債券を中途換金した場合の利回りです。 なお、債券を購入するタイミングは問いません。 |
なお、種類自体は3種類ありますが、どれも基本的な考え方は共通で、購入金額に対する、1年あたりの利息と換金損益の割合を計算します。
要するに、直接利回りと運用利回りを足せば良いという事です。
試験対策上、利回りの名前を覚えるよりも、利回りの計算がきちんとできるようになる事が重要です。
以下の①と②のどちらか分かりやすい方で理解して下さい。
債券のキャピタル損益を考慮する利回りの求め方の一つに、投資期間を通して得られる金額を求める方法があります。
例えば、表面利率1.0%、満期まで4年の社債を、額面100円あたり98円で購入して、満期日まで保有した際の利回り(最終利回り)について考えてみたいと思います。
もし、この債券の額面金額が100万円だったとすると、どうなるでしょうか?
まず、購入金額は、額面金額の98%ですから、980,000円です。
そして、投資期間を通して貰える利息は、100万円×1%×4年=40,000円です。
また、満期時には、額面金額の100%、つまり、100万円が償還されますので、償還差損益は、100万円-98万円=+20,000円です。
つまり、4年間トータルの利益は、40,000円+20,000円=60,000円となりますから、1年あたりの利益は60,000円÷4=15,000円となります。
最終利回りは、投資金額に対する一年あたりのリターンですから、15,000円÷980,000円×100≒1.531%となります。
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債券のキャピタル損益を考慮する利回りの求め方の一つに、計算式の要素を、全て額面100円当たりの金額に揃えて求める方法があります。
例えば、表面利率1.0%、満期まで4年の社債を、額面100円あたり98円で購入して、満期日まで保有した際の利回り(最終利回り)について考えてみたいと思います。
まず、計算式の分母は、額面100円あたりの購入金額ですから、分母は98円となります。
そして、分子のインカムゲインの部分は、その債券から得られる、額面100円あたりの1年間の利子です。
債券から得られる利子=額面金額×表面利率ですから、表面利率がa円であった場合、その債券から得られる利子の額は、額面100円あたりa円となります。
つまり、このケースでは、1年あたり、額面100円あたり1円の利子がもらえます。
また、分子のインカムゲインの部分は、1年あたりの、額面100円あたりの償還差損益です。
額面100円あたりの償還差損益=換金時に得られる額面100円あたりの金額-購入時に支払う額面100円当たりの金額ですから、このケースでは、100円-98円=2円となります。
但し、この2円は、購入から償還までの利益や損失ですので、債券の保有期間(残存期間)で割ることにより、1年あたりのキャピタル損益に修正しなくてはいけません。
したがって、最終利回り={1+(100-98)÷4}÷98×100≒1.531%となります。
債券の償還は額面金額で行われますので、最終利回りを求める際の償還価格は、常に、額面100円あたり100円となります。
<ワンポイント>
キャピタル損益を考慮する利回り={表面利率+(額面金額-購入価格)÷残存期間}÷購入価格となります。
※ | %単位にする場合は、100をかけます。 |
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