【3級】金融派生商品
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金融派生商品は、デリバティブとも言い、先物取引やオプション取引などがあります。
これらを現物取引(一般的な株式取引)と比較して説明すると、イメージとしては以下のように表現する事ができます。
・ | 現物取引は、Aという銘柄の株式を、今日、100円で売買するような取引です。 |
・ | 先物取引は、Aという銘柄の株を、将来の一定日に、100円で売買する事を約束するような取引です。 |
・ | オプション取引は、Aという銘柄の株を、将来の一定日に、100円で売買する権利を、売買する取引です。 |
現物取引と先物取引は、有価証券を売買する事を約束するものですが、オプション取引は、有価証券を売買する事を約束するものではありません。
オプションとは、選択肢という意味で、オプション取引では、権利を売買します。
オプション取引は、一説には、ワインを作るブドウ農家が始めたと言われています。
昔、ブドウ農家は、ワインを作るために、搾り機を貸し出している会社にお金を払い、ブドウを搾ってワインを作っていました。
しかし、ブドウの出来具合によって、搾り機のレンタル料が上下するという問題点がありました。
イメージとしては、豊作の年には、ブドウの搾り機の需要が高まり、レンタル料が500万円になり、凶作の年には、需要が低下して、レンタル料が100万円になる、という事です。
このような状態だと、せっかくブドウがたくさん取れても、あまり儲からないと悩んだブドウ農家は、搾り機レンタル会社に、「10万円払いますので、ワインを搾るシーズンが来たら、200万円で搾り機を使う権利を下さい」という提案をしました。
そうすると、ブドウが豊作の場合には、本来500万円のレンタル料を払わなくてはいけないところ、200万円のレンタル料で搾り機を使う事ができ、権利の代金込みでも210万円で済みます。
また、ブドウが凶作の場合には、権利を放棄して、本来の使用料100万円で絞り機を使います。
これがオプション取引の始まりです。
オプション取引では、ある資産を、一定額で売る権利や、一定額で買う権利を、取引します。
オプション取引は、権利の売買ですので、例えば、「A株を来月10日に100円で”買う(or売る)権利”を、1円で買う(or売る)」という約束をするものだと思って下さい。
そして、一定額で、売る権利や買う権利を持っている人は、自分に有利な状況になれば権利を行使し、不利な状況になれば権利を放棄する事ができます。
反対に、権利を売った人は、権利が行使されなければ丸儲けとなり、権利を行使された場合には、絶対に応じなくてはいけない義務を負います。
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オプション取引の基本的な用語として、以下のようなものがあります。
用語 | 意味 |
コールオプション | 買う権利の事です。 |
プットオプション | 売る権利の事です。 |
権利行使価格 | いくらで売ったり買ったりするかという価格です。 |
オプション料 (プレミアム) |
権利自体の値段の事です。 |
コールは呼ぶという意味ですので、「買う」を連想してください。
プットは置くという意味ですので、距離を置く(→売る)と連想してください。
オプション取引においては、コールオプションであれプットオプションであれ、オプションの買い手は、原資産価格が不利な方向に振れた時には、権利を放棄すれば良いだけですから、損失はオプション料に限定されます。
逆に、オプションの売り手は、利益がオプション料に限定されます。
そして、オプションの買い手にとって原資産価格が有利な方向に振れた時には、オプションの売り手は必ず権利行使に応じなくてはいけませんので、基本的に、買い手の利益は制限されず、その相手方である売り手の損失も限定されないと思ってください。
利益 | 損失 | |
買い手 | 非限定 | 限定 |
売り手 | 限定 | 非限定 |
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