【3級】ポートフォリオ運用*
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金融の世界リスクといえば、値動きの大きさの事を言います。
つまり、リスクが大きいという事は、値動きの幅が大きいという事を意味し、リスクが小さいという事は、値動きの幅が小さいという事を意味します。
したがって、そもそも、ローリスクハイリターンという事はあり得ず、リスクとリターンはトレードオフの関係にあります。
リスクは、2種類に分けることができます。
一つが、市場そのものがもともと持っているリスクで、システマティックリスク(市場リスク)と言います。
具体的には、価格変動リスクや為替リスクなどが該当し、資産運用を行う限り避けられないリスクです。
もう一つが、投資しようとする個別の銘柄がそれぞれ持っているリスクで、アンシステマティックリスク(非市場リスク)と言います。
具体的には、倒産などが該当し、これは、分散投資によって軽減することができるリスクです。
例えば、A社の株式しか持っていなければ、A社が倒産した時に大きなダメージを受けますが、A社とB社とC社に分散投資していれば、A社が倒産した時のダメージを軽減する事ができます。
つまり、分散投資によって、A社の倒産リスク(非市場リスク)は軽減されます。
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ポートフォリオ運用とは、分散投資の事です。
つまり、ポートフォリオ運用の目的は、投資のリスクを軽減する事です。
例えば、ここに、50円から150円の範囲で値動きすると考えられる、株価が100円のA社の株式があるとします。
つまり、この株式のリスクは、-50%から+50%であると言えます。
これを前提に、いくつかの例について考えてみたいと思います。
<ケース1>
仮に、A社株式と全く逆の値動きをする、100円のB社株式に同時に投資すると、どうなるでしょうか?
全く逆の値動きをしますので、片方が150円になれば、もう片方は50円になり、片方が50円になれば、もう片方は150円になります。
そうすると、この二つに同時に投資した時の合計は、常に200円となります。
値動きの波が無くなりますので、リスクは0になると言えます。
<ケース2>
仮に、A社株式と全く値動きの関連性がないもの、例えば100円の定期預金に投資すると、どうなるでしょうか?
A社株式が50円の時も、A社株式が150円の時も、定期預金は常に100円です。
そうすると、この二つに同時に投資した時の合計は、150円から250円の範囲での値動きとなります。
投資金額200円に対して、リスクは-25%から+25%となりますから、リスクの軽減効果が多少あると言えます。
<ケース3>
仮に、A社の株式と全く同じ値動きをする、100円のC社株式に同時に投資すると、どうなるでしょうか?
全く同じ値動きをしますので、片方が150円になれば、もう片方も150円になり、片方が50円になれば、もう片方も50円になります。
そうすると、この二つに同時に投資した時の合計は、100円から300円の範囲での値動きとなります。
投資金額200円に対して、リスクは-50%から+50%となりますから、リスクの軽減効果は全くないと言えます。
全く同じ値動きをするものに投資するという事は、同じ銘柄を倍の数量買う事と同じですから、分散投資の効果は期待できません。
2つの銘柄の値動きの関連性を端的に表すものとして、相関係数があります。
・ | 2つの銘柄が全く逆の値動きをする時、相関係数は-1となります。 |
・ | 2つの銘柄が全く関連性の無い値動きをする時、相関係数は 0となります。 |
・ | 2つの銘柄が全く同じ値動きをする時、相関係数は+1となります。 |
つまり、相関係数が-1に近づくほど、2銘柄は逆の値動きをするという事を意味し、リスクの軽減効果は大きくなります。
そして、相関係数が+1に近づくほど、2銘柄は同じような値動きをするという事を意味し、リスクの軽減効果は小さくなります。
リスクの軽減効果は、相関係数が-1の時に最大になり、+1の時に0になります。
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