【3級】遺族給付*
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遺族基礎年金は、国民年金の被保険者等が死亡すると、一定の遺族に支給されるもので、1階部分の話です。
年金の体系図で、遺族基礎年金の位置づけを確認してください。
遺族基礎年金の受給権者は、保険料納付要件等の一定要件を満たした、国民年金の被保険者であった人等に生計を維持されていた、子または子のある配偶者です。
ちなみに、年金の世界で子と言うと、基本的に、18歳到達年度の末日を経過していない子、イメージとしては高校を卒業していない子を指しますので、大学に通っている子供がいたとしても、遺族基礎年金の支給対象ではありません。
年金額は、「老齢基礎年金の満額+子の加算額」という式で計算されます。
なお、子の加算額は、子1人あたり224,900円ですが、3人目以降は、1人当たり75,000円となります。
遺族厚生年金は、厚生年金保険の給付ですから、国民年金の2号被保険者の2階部分の話です。
年金の体系図で、遺族厚生年金の位置づけを確認してください。
遺族厚生年金の受給権者は、一定要件を満たした厚生年金保険の被保険者であった人等に生計を維持されていた、一定の遺族です。
厚生年金保険は、国民年金よりも労働者を保護する性質が強く、保障が手厚いですから、受給対象となる遺族の範囲も、子と配偶者だけでなく、父母、祖父母、孫まで含まれます。
年金額は、基本的に、報酬比例部分の4分の3相当額です。
これは、亡くなった人が受け取るはずであった老齢厚生年金の4分の3だと思って下さい。
ただ、亡くなった人が若かった場合など、厚生年金保険の被保険者期間が短かいと、この通り計算した年金額はかなり少なくなりますから、被保険者期間が300ヵ月に満たない場合は、300ヵ月被保険者期間があったものとして計算します。
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厚生年金保険の制度ができた当時は、高度経済成長期で、夫が働いて妻が専業主婦である世帯が一般的でしたから、万が一夫が亡くなってしまうと、一家の収入は0になってしまう世帯が数多くありました。
そうなった場合、妻が若ければ、いい仕事が見つかる可能性が高いですが、ある程度の年齢を超えていると、バリバリ働いて沢山の収入を得るというのは難しい時代でした。
そこで、夫の死亡当時40歳以上65歳未満の妻等には、自身の年金を受け取るまで、遺族厚生年金に家族手当を上乗せしようとする趣旨の制度が用意されました。
これが、中高齢寡婦加算です。
中高齢寡婦加算は、加給年金と似たような、遺族厚生年金の上乗せ給付で、一定の事情がある遺族に対する家族手当のようなものだと思ってください。
なお、中高齢寡婦加算には、注意点がいくつかあります。
まず、男性の配偶者には支給されません。
寡婦というのは、配偶者に先立たれた女性という意味ですから、これは字面で理解する事ができます。
それから、遺族基礎年金を受け取る事ができる場合には、支給されません。
遺族基礎年金だけで100万円以上支給されますから、それ以上手厚い給付は不要だという事です。
また、妻が65歳になると、中高齢寡婦加算は支給停止されます。
加給年金と同じく、自身の老齢基礎年金を受給できるようになるからです。
加給年金と中高齢寡婦加算の違いと共通点
[共通点] | |
・ | 厚生年金の加算給付である事 |
・ | 加算対象となる配偶者が65歳になると、支給停止される事 |
[違い] | |
・ | 加給年金は、老齢厚生年金の上乗せ給付で、中高齢寡婦加算は、遺族厚生年金の上乗せ給付 |
・ | 中高齢寡婦加算には、配偶者の年齢要件に、40歳以上と言う下限がある |
・ | 被保険者については、加給年金には、厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある事、という要件がある。 |
加給年金について忘れている点があれば、復習しておいてください。
国民年金の第1号被保険者に扶養されていた人は、遺族厚生年金を受給することができません。
そして、年金法上の子が居なければ、遺族基礎年金を受給することもできませんので、遺族年金が全く支払われない事になります。
それでは余りにも不公平感が強いですから、国民年金の第1号被保険者が死亡して、遺族基礎年金が受給できない場合には、寡婦年金と死亡一時金という給付があります。
細かい要件についてはさておき、これらは、どちらか片方しか受給することができない、という点を押さえておいてください。
公的年金について、実務上、詳しく知りたい方は、「日本年金機構のホームページ」で情報を得る事ができます。
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