【3級】離婚時の年金分割*
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例えば、夫が仕事をしていて、妻が専業主婦である夫婦が離婚したとすると、夫は厚生年金保険の被保険者ですから、老後は老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給しながら暮らす事ができるのに対して、妻は働いていなかった(厚生年金保険の被保険者ではなかった)ので、老後は老齢基礎年金しか受給することができません。
しかし、よくよく考えてみると、夫が仕事をして老齢厚生年金を受給する事ができるのは、家事を分担していた妻の協力があったからこそです。
そこで、夫が受給する老齢厚生年金のうち、妻の貢献分を振り替えて、妻の老齢基礎年金に上乗せしようという趣旨の制度が、離婚時の年金分割です。
つまり、老齢基礎年金を分割する訳ではなく、分割するのはあくまでも、婚姻期間中の老齢厚生年金だけですから、勘違いしないようにしてください。
年金の分割の方法は、合意分割と3号分割の二つがあります。
合意分割は、分割割合の上限を2分の1として、按分割合を話し合いで決める制度です。
元々は、合意分割の制度しか無かったのですが、ただでさえ仲が悪い2人が話し合うのは労力がかかりますから、平成20年(2008年)に、3号分割という制度ができました。
3号分割は、夫婦のうち、国民年金の第3号被保険者であった人が請求すると、話し合いをすることなく、機械的に、厚生年金記録を2分の1で分割するというもので、平成20年(2008年)4月以降の婚姻期間の年金が対象です。
なお、これらの年金の分割は、原則として、離婚の翌日から2年以内に請求しなければ、時効により出来なくなりますので、注意が必要です。
例えば、22歳から厚生年金保険の被保険者である人が、30歳の時に結婚して、配偶者を専業主婦にして、40歳の時に離婚した場合について考えてみます。
年金分割は、あくまでも、配偶者が貢献した分を取り戻すという趣旨の制度ですから、分割対象になるのは、婚姻期間中の厚生年金記録に限られます。
そして、婚姻期間の途中で、平成20年(2008年)4月1日を迎えていた場合、それ以降の期間分は、3号分割の対象になりますが、それより前の期間分については、合意分割によって分けなくてはいけません。
公的年金について、実務上、詳しく知りたい方は、「日本年金機構のホームページ」で情報を得る事ができます。
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