【3級】土地の価格*
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土地の価格は、一物四価と表現されるように、実勢価格(通常の取引価格)とは別に、様々な価格が存在します。
公示価格は、売買の目安として国が公表する価格で、全国に設定している土地の、1月1日時点の価格が毎年公表されます。
売買の参考とするための価格ですから、価格水準は実勢価格とほぼ等しくなります。
基準地価格(基準地標準価格)は、売買の目安として、都道府県が公表する価格です。
公示価格だけでは、地点の数も少ないですし、土地の価格が急激に変動した場合に対応できませんから、公示価格を補完する目的で、各都道府県が、公示価格の基準日の半年後に当たる7月1日を基準とした土地の価格を公表しています。
売買の参考とするための価格ですから、価格水準は実勢価格とほぼ等しくなります。
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路線価は、主に相続税を計算するために、国(国税庁)が公表する価格です。
相続税は高いですし、一般的に、課税対象となる資産の中でも、不動産が占めるウエイトは大きくなりがちですから、価格水準は実勢価格の約8割となっています。
実勢価格が1億円の土地は、相続税の計算上、約8,000万円の価値がある資産であるとみなして、税金が計算されます。
固定資産税評価額は、固定資産税などを算出するために、市町村長が公表する価格です。
土地と家屋の固定資産税評価額は、原則として、3年ごとに評価替えされます。
固定資産税の課税対象となる土地や家屋は数がかなり多く、毎年評価額を見直す事は難しいです。
また、課税のためのコストを抑える必要性もあり、3年おきに評価されることになっています。
なお、相続税は、お金持ちが一時的に支払う税金であるのに対して、固定資産税は、所得の多寡に関係なく、皆が毎年払う税金です。
そこで、相続税の計算上、土地を8割評価するのであれば、固定資産税の計算ではもっと低く評価すべきであるという事で、固定資産税評価額の水準は、実勢価格の約7割となっています。
公示価格や基準地価格は、売買の目安となる価格で、路線価や固定資産税評価額は、税金を計算するための価格です。
不動産の鑑定をする際には、原価法と、取引事例比較法と、収益還元法の、三つの手法があります。
原価法は、もう一度同じものを作るとしたらいくらかかるか、という事を基準に、評価する方法です。
取引事例比較法は、近くの取引事例を参考にして、評価する方法です。
収益還元法は、評価しようとする不動産が将来生み出すと期待されるお金を見積もり、不動産の価格を評価する方法です。
ちなみに、収益還元法は、お金を生み出すことがない自宅についても、もし賃貸に出したとしたらどれだけのお金を生み出すかと仮定して、適用する事ができます。
なお、これらは、原則として、併用するものとされています。
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