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【3級】債務控除*

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復習と前置き(相続税の計算イメージ)

相続税の計算の大まかな流れは、以下の通りです。

まず、亡くなった人が残した財産の価額を計算します。
これは、全ての相続人等がそれぞれ承継した財産の価額を合計して求めます。
  ↓
①をもとに、一定のルールに従い、相続税の総額を計算します。
  ↓
相続税の総額を、各相続人等が承継した財産の割合に応じて分担する形で、各相続人等の相続税額を求めます。
  ↓
最後に、③で求められた各相続人等の相続税額を、個々人の事情を考慮して加減算調整して、各々の最終的な納付税額を計算します。

今回は、このうち、①亡くなった人が残した財産の計算をする、という部分の話です。

債務控除

相続は、既に学習した通り、亡くなった人の立場を引き継ぐものですから、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も引き継ぎます。

ですから、例えば、1億円の現金を相続するのと同時に、9千万円の借金も合わせて相続した場合、プラスの財産だけに着目して、1億円相続したので1億円に対して相続税をかける、というのは適切な課税方法とは言えません。

この場合には、正味の儲けである1千万円に対して税金が課されるのが、正しい課税方法だと言えます。

このように、相続税の計算をする際には、プラスの財産の価額から、マイナスの財産の価額を差し引きます。

これが、債務控除です。

債務控除の対象

債務控除の対象となるものは、被相続人の債務と葬式費用のうち、一定のものです。

債務については、確実に支払う事が確定しているものが該当し、借入金のほか、未払いの医療費や税金等も対象になります。

葬式費用については、通夜葬儀の費用は対象となりますが、初七日四十九日のような法会の費用は、親しい人が集まって食事をして楽しむ性格がありますから、債務控除の対象外となっています。

なお、遺言執行費用は、相続税法上は、債務控除する事ができません

被相続人の債務であるとは言えないからだと思って下さい。

また、香典返戻費用については、債務控除する事ができません

何故なら、香典を受け取った時に、原則として非課税とされますし、相続税の負担軽減を目的として、親戚にたくさん香典返戻を配るような行為を認める訳にはいかないからです。

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