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【3級】課税標準の計算*

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課税標準の計算

課税標準とは、税額を算出する上で基礎となる金額の事です。

所得税の体系図で言うと、左から番目の金額の事です。

<課税標準の位置づけ>
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マクロな体系図を見ると、利子所得を除く9つの所得の合計=課税標準と見えますが、厳密に言えば、利子所得を除く9つの所得の合計は、必ずしも課税標準の金額と一致する訳ではありません。

なぜなら、10種類の所得の金額から課税標準を求める過程では、損益通算と繰越控除という手続きがあるからです。

但し、3級の試験対策上は、繰越控除は殆ど重要ではなく、損益通算後の総所得金額を求める事ができれば、問題ありません。

<課税標準の計算(マクロ)>
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この論点は、緑色の部分の話です。

<課税標準の計算(ミクロ)>
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緑色の部分を拡大(厳密な課税標準の求め方)

総所得金額

他の所得とごちゃ混ぜにして税金を計算する課税方法を、総合課税と言います。

体系図を見ると分かる通り、総合課税の対象となる所得を、一定のルールのもと合算した金額を、総所得金額と言います。

<総所得金額の位置づけ>
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損益通算

「個人の一年間の正味の儲け(課税所得)に対して課税する」という所得税の趣旨により、例えば、Aという所得が+800万円で、Bという所得が▲300万円であった場合、儲けだけに着目して800万円に対して税金をかけるのではなく、2つの所得を合算した500万円に対して課税するというのが、所得税の基本的な考え方です。

このように、プラスの所得とマイナスの所得を合算する手続きを、損益通算と言います。

但し、所得の計算上マイナスが出たからと言って、何でもかんでも通算できる訳ではありません。

具体的には、不動産所得事業所得山林所得譲渡所得の4つの所得の計算において、マイナスが出た場合に限り、損益通算が行われます。

<ワンポイント>
所得の計算上マイナスが発生した時に、損益通算ができる所得は、一番上の文字を取って、「不、事、山、譲=富士山上」と覚えてください。
富士山の頂上でプラスさんとマイナスさんが出会う、つまり、不動産、事業、山林、譲渡の4つだけが損益通算される、という意味です。

<参考>

事業所得が+800万円で、雑所得が▲300万円であった場合、総所得金額は800万円になります。
雑所得が+800万円で、事業所得が▲300万円であった場合、総所得金額は500万円になります。

つまり、不動産、事業、山林、譲渡以外の所得は、マイナスが発生した時には他の所得のプラスと損益通算する事はできませんが、プラスが発生した時には、不動産、事業、山林、譲渡のいずれかの所得のマイナスと損益通算する事ができます。

要は、不動産、事業、山林、譲渡以外の所得は、他の所得を減額することは無いが、他の所得から減額されることはある、という事です。

損益通算の対象外

例えば、Aさんには、不動産所得と事業所得の2つの所得があり、不動産賃貸業では1,000万円の儲けが出た一方で、別の事業では800万円損してしまった場合、いくらに対して税金をかけるのが適切でしょうか?

この場合、利益にだけ税金をかけて、損失は無かった事にすると、個人の一年間の正味の儲けに対して課税するという、所得税の趣旨から外れてしまいますから、利益と損失を通算した200万円に対して税金をかけるのが適切だと言えます。

よって、事業所得のマイナスは、損益通算する事ができます。

では、例えば、Bさんは、不動産賃貸業で1,000万円儲けた一方で、株の投資で失敗して譲渡所得が800万円マイナスになってしまった場合、いくらに対して税金をかけるのが適切でしょうか?

この場合、株で失敗したから、(損益通算して不動産所得が減り)所得税が安くなる、というのはおかしいですから、不動産所得1,000万円に対して課税するべきです。

このように、不動産、事業、山林、譲渡の4つの所得のどれかでマイナスが出たからと言って、必ずしも損益通算ができる訳ではありません。

具体的には、以下のもの等が損益通算の対象外とされています。

<損益通算の対象外(例)>
趣味・娯楽等の目的で保有する動産および不動産に係る損失(ゴルフ会員権等)
生活の用に供する動産で、1個または1組の価格が30万円超のものに係る損失
非居住用の土地・建物、株式等に係る譲渡損失(分離課税する譲渡損失)
生活に通常必要でない動産および不動産に係る損失
不動産所得の損失がある場合、不動産所得の計算上必要経費とした土地取得のための借入金の利子

ぜいたくな物に係る譲渡損失が損益通算されないのは理解できますが、「不動産所得の計算上必要経費とした土地取得のための借入金の利子」は少し分かりづらいので、不動産所得の損益通算について、もう少し詳しく説明します。

まず、不動産所得の計算上、借金の利子は、必要経費に算入することができま す

所得を得るために借り入れが必要なのであれば、その利子は収入を得るためのものだと考えられるからです。

ですから、当然、土地取得の為の借入金の利子は、必要経費になりま す

なお、これは所得の計算の話で、所得税の体系図で言うと、一番左の話です。

「土地取得の為の借金の利子は、損益通算の対象にはならない」というのは、損益通算の話(所得税の体系図で言うと、一番左と左から二番目の間の話)で、所得の計算とは全く違う話ですから、混同しないようにしてください。

かつて通用した節税対策を無効にするために作られたルールですが、イメージとしては、土地を買うために多額の借金をするのはたいてい富裕層ですから、富裕層が土地の投資に失敗しても、借金の利子までは損益通算してもらえないのだと思ってください。

<例>
例えば、不動産賃貸を営んでいて、収入が2,000万円、借入金の利子以外の費用が2,200万円、土地取得の為の借入金の利子の返済額が100万円あった場合について、考えてみます。

不動産所得の金額は、2,000万円-2,200万円-100万円=▲300万円です。

損益通算の対象額は、通常は、所得のマイナス分(収入と必要経費の差額の300万円)となりますが、ここに土地取得の為の借入金の利子が含まれていると、損益通算の対象から除かれます。
このケースでは、100万円が土地取得の為の借入金の利子ですから、損益通算の対象となるのは、300万円-100万円=200万円になります。

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