【3級】所得控除
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例えば、Aさんの去年の所得は、給与所得が600万円であったとします。
そして、Aさんは、社会保険料を150万円払って、家族を養うために100万円払ったとすると、いくらに対して税金をかけるのが適切でしょうか?
「所得税は個人の正味の儲けに対してかかる税金である」という趣旨に沿って考えてください。
このような視点で考えてみますと、社会保険料は国が強制的に持っていくお金ですし、家族を養うためのお金も、避けられない支出だと言えます。
そこで、所得の金額600万円に対して課税するのではなくて、どうしても避けられない支出250万円を引いた、350万円に対して課税するべきだと考えます。
つまり、所得税の課税対象となる「個人の正味の儲け」とは、お金を稼ぐ活動から得られた正味の稼ぎではなく、そこから、個別の事情を加味した金額を引いた金額の事です。
なので、所得税の課税対象となる「個人の正味の儲け」とは、個人が自由に使えるお金だと思って下さい。
下の体系図で確認しますと、「お金を稼ぐ活動から得られた正味の稼ぎ」と言うのが、課税標準、つまり10種類の所得の合計で、「個別の事情」と言うのが、これから学習するテーマの所得控除です。
所得控除は、生きていくためにどうしても払わなくてはいけないお金、というイメージです。
要するに、10種類の所得の金額を求めて、損益通算などをして課税標準を求めた時に、そこにいきなり税率をかけるのではなく、そこから所得控除を引いた金額に税率をかける、という事です。
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所得控除は全部で14種類あり、7つの物的控除と、7つの人的控除に分ける事ができます。
繰り返し勉強して体系図が頭に入るまでは、下のイメージ図を意識してください。
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