Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!

究極のFPテキスト

FP試験の受験生を応援するサイト。
オススメの市販本を紹介しつつ、テキストに載っていない背景や覚え方を解説しています。

【3級】生命保険の基本*

暗記モード ON OFF
生命保険の仕組み

生命保険は、相互扶助の仕組みです。

具体的には、契約者が保険料を出し合って、誰かに何かが起こった際に、集めた保険料の中からまとまった金額の給付を行う、というものです。

<保険の仕組み>
生命保険の機能

生命保険には、保障機能と貯蓄機能の2つの機能があります。

保障機能は、死亡や病気や怪我などの事故が起こった際に、支払った保険料よりも多額の保険金を受け取ることができるという機能です。

貯蓄機能は、満期時や中途解約時に、まとまったお金を受け取ることができる機能です。

保険料の構成

保険料は、純保険料付加保険料に分ける事ができます。

純保険料は、将来の保険金を支払う為に集めるお金で、付加保険料は、保険制度を運用するための事業費を賄う為に集めるお金です。

純保険料は、予定死亡率予定利率に基づいて計算され、付加保険料は、予定事業費率に基づいて計算されます。

これら3つを、予定基礎率と言います。

  内訳 関係する予定基礎率
保険料 純保険料
(保険金支払財源)
予定死亡率
予定利率
付加保険料
(保険運営事業費)
予定事業費率

スポンサーリンク




スポンサーリンク




予定基礎率

<予定死亡率>
予定死亡率は、契約期間中に死亡する被保険者の割合の見積りの事です。

死亡保険においては、予定死亡率がいほど、保険会社が支払わなくてはいけない保険金の見積額が多くなりますから、その為に集める保険料は高くなります。

ちなみに、他の条件を同じとした場合、男性よりも女性の方が平均寿命がい、つまり予定死亡率がいので、死亡保険の保険料は、男性の方が女性よりも高いです。

<予定利率>
予定利率は、保険料の運用により得られる収益率の見積りの事です。

予定利率がいほど、集めた保険料をたくさん増やして、保険金をたくさん賄えると見積もる事になるので、保険会社が集める保険料は安くなります。

<予定事業費率>
予定事業費率は、事業費が保険料に占める割合の見積りの事です。

数値がいほど、保険の運営コストがかかると見積もる事になるので、保険会社が集めなくてはいけない保険料は高くなります。

<イメージ>
例えば、死亡リスクが等しい1万人の集団が居て、全員が保険金額を1,000万円とする死亡保険に加入するとします。
そして、予定基礎率が以下の通りである場合、一人当たりの保険料はいくらになるか(つまり、保険の制度を維持するために一人当たり何円集めなくてはいけないのか)、という事を考えてみたいと思います。

<予定基礎率>
予定死亡率:0.02%
予定利率:1%
予定事業費率:40%(事業費を、保険金を賄う為のお金の40%と見込む)

まず、保険金の支払額は、1人の死亡につき1,000万円の支払いが発生するという条件で、1万人のうち0.02%に当たる2人が死亡すると見込まれていますので、保険金の総支払額は、2,000万円と見積もられます。

そして、集めたお金は1%で運用できると見込まれていますので、2,000万円の保険金を用意するためには、2,000万円÷1.01≒1,980万円集めればよいという事になります。
これが、保険会社が集めるべき純保険料です。

また、 保険制度を維持するためにかかるお金は、純保険料の40%と見込まれていますので、1,980万円×40%=792万円と見積もられます。
これが、保険会社が集めるべき付加保険料です。

したがって、保険制度を維持するためにかかるお金は、1,980万円+792万円=2,772万円という事になります。

これを1万人で用意すればよいので、1人あたりの負担額、つまり保険料は、2,772万円÷1万(人)=2,772円と導く事ができます。

スポンサーリンク




スポンサーリンク




剰余金

保険には、収支相等の原則というものがあります。

これは、「保険料+運用収益=保険金+事業費等」という計算式で表現される原則です。

このうち、一番最初に決定されるのが保険料で、運用収益と保険金と事業費等は、後から確定します。

ですから、結果的に保険料を集め損ねると、保険会社が破綻してしまいます。

そこで、予定基礎率は余裕を持って見積もっており、保険料を多めに集めていますから、この式が自然に成り立つ事はまずありません。

この時、集めすぎた保険料の事を剰余金と言い、剰余金は、死差益利差益費差益に分ける事ができます。
これらを、三利源と呼びます。

<保険の三利源>
  意味
死差益 実際の死亡率が予定死亡率よりかった場合に、想定していたよりも支払った保険金が少なくなることによって生じる剰余金の事です。
利差益 実際の運用利率が予定利率よりかった場合に、想定していたよりもたくさんお金が増えることによって生じる剰余金の事です。
費差益 実際の事業費率が予定事業費率よりかった場合に、想定していたよりもかかった運用コストが少なくなる事によって生じる剰余金の事です。
配当金

集めすぎた保険料は、配当金として、契約者に払い戻されます。

但し、契約をする際に、配当金が支払われる有配当保険だけでなく、無配当保険や、利差益のみを配当原資とする準有配当保険を選ぶ事もできます(配当金の期待が低い保険ほど、保険料は安くなります)。

なお、配当金は、現金で受け取るほか、保険会社に積み立てたり、保険料に充当したりする事等ができます。

<参考>
保険の配当金は、株式の配当金のような利益の分配ではなく、剰余金の還元、つまり、集めすぎた保険料の事後精算です。
ですから、所得税の計算上、収入とは扱われません(生命保険料控除の計算上、払込保険料がマイナスになります)。

スポンサーリンク




スポンサーリンク




スポンサーリンク




コメントは受け付けていません。